ペットショップの問題:命の大切さを考える
ペットショップで犬や猫を購入することは、多くの人にとって身近なものになっています。
しかし、近年ではペットショップにおける販売方法や動物の飼育環境などに様々な問題点が指摘されており、動物愛護の観点から議論が活発化しています。
本記事では、ペットショップの問題点について詳しく掘り下げ、命の大切さを改めて考えるきっかけにしていきたいと思います。
好きなことをしながら運動ができる「乗るだけ簡単エクササイズ」です♪犬はペットショップで買っちゃだめなの?ペットショップで買うことの問題点
大量繁殖と劣悪な飼育環境
ペットショップで販売されている犬や猫の多くは、いわゆる「ブリーダー」と呼ばれる業者によって繁殖されています。
しかし、中には劣悪な環境で大量に繁殖させられ、十分なケアを受けることなく病弱な個体も多く存在します。
また、親犬や親猫自身が十分な健康管理や愛情を受けられずにいるケースも多く、心身ともに問題を抱えた動物が生まれてくる可能性もあります。
衝動買いによる飼育放棄
ペットショップは、犬や猫を気軽に購入できる環境を提供しています。
しかし、その手軽さゆえに、十分な飼育の準備や覚悟のないまま衝動買いをしてしまう人も少なくありません。
結果的に、飼育を放棄したり、適切な世話ができずに動物が苦しんだりするケースが増えています。
これは小さい、かわいいと言った理由で後先考えずに安易に購入する人が悪いですよね。
でも高い金額なのに月々数千円から1万円ちょいくらいの手軽な分割で購入できるといったシステムも、つい買ってしまうということを助長してしまっているかも?
殺処分問題の悪循環
ペットショップで販売されなかった犬や猫は、動物愛護センターなどに持ち込まれ、殺処分されるケースが少なくありません。
毎年、多くの命が失われているのです。
これは、ペットショップでの大量繁殖や衝動買いによる飼育放棄が大きな要因となっています。
最近ではペットショップと手を組んだ動物保護施設などが、売れ残った子犬たちを仕入れて手数料を取って手放している、といった新たな問題を提起している方もいます。
動物愛護の観点からの課題
ペットショップの問題は、単に動物福祉の観点だけでなく、命の倫理や社会的な責任など、様々な側面から議論する必要があるでしょう。
動物はただかわいいってだけでは飼えません!
いつでも病気知らずで元気で、ってわけではないですし、ご飯も食べるしうんちもします。
歯磨きもシャンプーも必要です。手がかかります。
犬たちはロボットではありません。
ぬいぐるみ感覚で暮らすことはできない、限りなく時間とお金がかかるものだということをしっかりと自覚しておく必要があるでしょう。
私たちは、ペットショップで購入する前に、動物たちの置かれている現状についてしっかりと理解し、命の大切さを改めて考えることが重要です。
私たちができること
ペットショップの問題を解決するためには、私たち一人ひとりが意識を変えることが大切です。
➡︎ 衝動買いはしない
➡︎ 動物愛護団体からの譲渡を検討する
➡︎ ペットショップの販売方法や飼育環境について声を上げる
➡︎ ペットショップではなく、ブリーダーから直接購入する場合は、そのブリーダーの飼育環境などをしっかりと確認する
これらの行動は、ペットショップの問題を改善し、動物たちの幸せを守ることに繋がります。
ペットショップとブリーダー それぞれのメリット・デメリット
最近では色々な人が動物の飼育環境の改善の声を上げています。
流通途中でたくさんの犬猫たちが不幸にも亡くなってしまうことなどの理由から、ペットショップから犬猫を迎えないように、という声も大きくなってきました。
とは言っても、里親を募集している動物保護施設から迎え入れる為には、たくさんの条件をクリアしなければならなかったりとハードルが高いと感じている人も多いです。
犬を迎える方法として、動物保護施設以外ではペットショップとブリーダーの2つが一般的ですが、それぞれメリット・デメリットがあるため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
ペットショップで犬を迎えるメリット
種類が豊富
様々な犬種や年齢の子犬・成犬を見比べることができます。
特に人気の犬種はたくさん取り扱っているので、気に入った性別や毛色、月齢・金額から選ぶことができます。
運動好きな人には活発な犬種、一人暮らしの人には小型犬、子供がいる家庭には穏やかな犬種など、ライフスタイルに合った犬種を選ぶことができます。
手軽さ
事前に予約する必要がなく、営業時間内であればいつでもペットショップに行けば犬を見ることができます。
またペットショップでは犬だけでなく、フード、ケージ、リード、首輪、おもちゃなど、飼育に必要なものをまとめて購入することができるのもメリットと言えるでしょう。
犬の購入手続きは比較的簡単で、すぐに犬を迎えることができます。
健康状態のチェック
多くのペットショップでは、獣医師による健康診断を実施して子犬の健康状態をチェックしてから販売しています。
健康状態の証明書を発行しているペットショップもあり、最近ではその犬種に多い「遺伝病」についても遺伝子検査してチェックしてくれているショップも多いです。
犬を迎える際には、健康状態をしっかりと確認することが大切です。
健康状態が悪い犬を迎えてしまうと、思わぬ医療費がかかったり、犬が長生きできなかったりというリスクがあります。
そういった保証をしてくれるショップもありますが、それらを守ってくれないショップも問題になったりしています。
ワクチン接種
子犬の多くは、ペットショップでワクチン接種の1回目・2回目を済ませて販売されています。
犬にとって、ワクチン接種は非常に重要です。
ワクチン接種によって、犬がかかりやすい感染症から身を守ることができます。
ワクチン代は販売価格に組み込まれていたり、別途支払いが必要だったりとショップによって違うので確認が必要です。
相談しやすい
ペットショップで犬を迎えるメリットの一つは、相談しやすいことです。
購入前にはライフスタイルや家族構成などに合った犬種を選ぶためのアドバイスを受けることができます。
飼育方法、餌のやり方、トイレのしつけ方、運動の仕方など、飼育に関することの様々な相談をや、犬の健康状態についての相談、病気や怪我の予防方法についてアドバイスを受けることができますが、病気に関してなどはやはりかかりつけの動物病院、獣医師を探してそこに相談することをお勧めします。
ペットショップで犬を迎えるデメリット
価格が高い
ブリーダーよりも価格が高い傾向があります。
それはペットショップは、犬を飼育するのにかかるコスト(餌代、医療費、トリミング代など)を価格に反映しているからです。
また、人気犬種や希少犬種は価格が高くなり、店舗の賃料、人件費、広告宣伝費などの店舗運営費も価格に反映されます。
最近では以前よりもっと子犬の値段が高くなっていると感じます。
反対に売れ残ってしまっている子は信じられないくらい安い値段で販売されますが、実際には様々な手数料がついて表示された価格の数倍になってしまうこともあります。
注意が必要です!
社会化不足
ペットショップで犬を迎えるデメリットの一つは、社会化不足です。
社会化とは、子犬が生まれてから生後3ヶ月頃までの間に、様々な人や犬、環境に慣れることで、成犬になった時に、落ち着いて社会生活を送れるようになるための重要な時期のことを指します。
ペットショップで売られている子犬はまだ小さなうちから親元から離されるため、社会化不足のリスクがあります。
社会化不足の子犬は、以下のような問題行動を起こしやすくなります。
● 吠え癖
人や犬、物に対して吠えたり、唸ったりする。
● 噛み癖
人や犬、物を噛んでしまう。
● 分離不安
飼い主と離れると不安になり、吠えたり、物を壊したりする。
● 臆病
人や犬、物に対して臆病になり、すぐに隠れてしまう。
● 攻撃性
人や犬に対して攻撃的になってしまう。
ペットショップから迎えた子が全て社会化不足で問題行動を起こすわけではありませんが、小さくてかわいいって見た目だけで安易に購入してしまうと、こういった問題行動を起こす犬になる可能性も指摘されています。
なのでかわいいかわいいと甘やかすのではなく、飼い主もしっかりと勉強をしてしっかりとしつけることが大事です。
ブリーダーから犬を迎えるメリット
価格が安い
ペットショップよりも価格が安い傾向があります。
その理由はペットショップのように中間業者が入らないため、価格に上乗せされる費用がかからないこと、ペットショップよりも飼育コストを抑えて運営している場合が多いことです。
一般的に、ブリーダーから犬を迎える場合、ペットショップで購入するよりも20%~50%程度安く購入することができます。
例えば、ペットショップで30万円で販売されているチワワの場合、ブリーダーであれば15万円~20万円程度で購入できる可能性があります。
繁殖環境が分かる
ブリーダーから犬を迎えるメリットの一つは、繁殖環境が分かることです。
見学を通して、繁殖環境を確認することができます。
犬の健康状態や性格は、繁殖環境によって大きく左右されます。
衛生的な環境で飼育された犬は、病気にかかりにくい丈夫な体質になり、母犬が穏やかで優しい性格であれば、子犬も穏やかで優しい性格になる可能性が高いです。
またブリーダーから迎える場合、親元で過ごす期間が長い子犬が多く、生まれてから生後3ヶ月頃までの間に、様々な人や犬、環境に慣れることで、成犬になった時に、落ち着いて社会生活を送れるようになります。
健康管理
ブリーダーは、個別の健康管理を徹底している場合が多いです。
ブリーダーは、健康な犬同士を交配させて、子犬を繁殖させる必要があります。
そのため、親犬の健康管理に力を入れている人が多いです。
動物愛護法などの法令に基づき、犬の健康管理を適切に行う必要があるので、健康な子犬を顧客に販売することで、顧客満足度を高めることができます。
犬の飼育環境を見せてくれる、口コミの良いブリーダーさんを探すことが大事です。
ブリーダーから犬を迎えるデメリット
種類が少ない
多くのブリーダーは、飼育スペースや時間、経済的な理由から、繁殖できる犬種の数を制限しています。
チワワだけとか、フレンチブルドッグだけといった特定の犬種だけ繁殖しているブリーダーも多いです。
入手までに時間がかかることもある
ブリーダーでは自分の繁殖所で子犬が生まれるのを待つ必要があるため、入手までに時間がかかる場合があります。
犬はペットショップとブリーダーのどっちから迎えるべき?
ペットショップで犬を迎えてはダメ、犬を飼うなら里親になるべし、どうしてもと言うならせめてしっかりしたブリーダーで迎えて。
こういった意見が色々と言われていますが、正直どうすることがベストなのか?悩む人も多いのではないでしょうか。
先ほども書きましたが、(ペットショップでもブリーダーでもなく)里親になるにはたくさんの条件をクリアする必要があったり、経済状態や住居などの個人情報を提供する必要があったり、などと結構ハードルが高い所も多いです。
それらは犬を託す方から見れば最低限の責任としてもっともなことだ!とも言えるでしょうし、責任を持って生涯飼い続ける為には必要な情報なのでしょう。
でも譲り受けたい方としては、見知らぬ人に住居情報だけにとどまらず詳細な経済状況まで知らせないと犬を譲ってもらえないという状況は窮屈に感じ「もういいわ!」って気持ちになってしまうでしょう。
ペットショップで迎えることで犬が死んでしまう、犬の衝動買いが増えてしまうと言うのなら、ゆくゆくはペットショップも廃れていった方がいいのかもしれません。
私はペットショップ に関しては、犬にとって良くない環境だと言うのなら犬を店頭展示・販売することをやめていく方向にシフトした方がいいと思っています。
その上で犬を飼いたいって人は、犬を飼うのにしっかりと研修を受けさせて、めんどくさい段階を踏ませてもそれでも犬を飼いたいのか?を確認させて飼えるようにするべきでは?と思っています。
本当に犬を飼いたいならその研修さえもワクワクして楽しいんじゃない?って。
ま、それも色々と面倒ですし大変な点も多いかもしれませんが、犬の幸せを思うなら「衝動買いさせない」「死ぬまで責任を持って飼い続けさせる」責任が必要!
衝動買いせず、死ぬまでしっかり責任を持って飼い続けることができるなら、ペットショップで迎えてもブリーダーさんから迎えてもどちらでもいいのでは?と私は今思います。
でも「犬という10年以上は生きる大事な命」であることはしっかりと意識する必要があるでしょう。
ペットショップ、ブリーダー、里親、どの方法をとるにしても、しっかり時間をかけて情報を収集し、慎重に検討することをおすすめします。
まとめ
ペットショップの問題は、決して他人事ではありません。
命の大切さを理解し、責任ある行動をとることが、動物たちと共生する社会を実現するために求められています。
私たち一人ひとりが意識を変えることで、ペットショップの問題を解決し、すべての動物たちが幸せに暮らせる社会を作っていきましょう。
記事のポイント
● ペットショップの問題点は、動物愛護の観点だけでなく、命の倫理や社会的な責任など、様々な側面から考える必要がある
● 私たち一人ひとりが意識を変えることで、ペットショップの問題を解決し、動物たちの幸せを守ることに繋がる
● 命の大切さを理解し、責任ある行動をとることが、動物たちと共生する社会を実現するために求められている
本記事が、ペットショップの問題について考えるきっかけとなり、動物たちと共生する社会の実現に向けて少しでも貢献できれば幸いです。